こどものへいわ
KODOMO NO HEIWA
こどものへいわ
KODOMO NO HEIWA
[Children’s Peace]
伝承カノンに基づく童声+αの為の“ドナ•ノービス•パーチェム!”
“Dona Nobis Pacem!” based on the traditional canon for Children's Choir +α
*プログラムノート*
この作品は岸和田こなから音楽祭の委嘱により作曲し、2023年11月5日同音楽祭にて東京子どもアンサンブル&岸和田市少年少女合唱団(指揮:古橋富士雄/ソプラノ:吉川真澄/ピアノ:野間春美)により初演、2024年1月7日岸和田市少年少女合唱団定期演奏会にて再演(指揮:松尾卓郎/ソプラノ:吉川真澄/ピアノ:古谷優子)され、ほんじつ東京初演を迎える。
古代ギリシャの戯曲にアリストファネス「女の平和」(原題:リューシストラテー|軍隊解散者)がある。いつまで経っても戦争を卒業出来ぬオトナのオトコによる支配への痛烈な皮肉と異議申し立てを面白おかしく表した名高い喜劇。それから二千四百余年すぎても何ら変わらぬ人間社会の業の深さを前にして、ふと、強いもの大きいものに憧れよりも恐怖を抱いていた幼い頃の心と感覚を思い起こし、小さくて弱い者だからこそ抱ける、人の倫理の起源たる「こどものへいわ」という概念が脳裏に浮かんだ。
楽器編成は、児童合唱、ピアノ、オブリガートとしてのソプラノとメロディカ、それに21音のハンドベル。楽曲は大きく分けて二つの場面から成る。広く歌われる西洋の伝承カノン〈ドナ・ノービス・パーチェム(我らに平和を与えたまえ)〉を後段の定旋律としつつも、その前段に独特の音律によるもう一つのカノンを対置して、互いに軋み響かせようとしたものである。
難しい時代を生きる世界のコドモの代表者たる東京子どもアンサンブル・舞鶴子どもコーラス・相馬子どもコーラスから、かつてコドモであったことのある全てのオトナに向けて、全身全霊の歌と声と鐘が鳴り響き、問いかける。
(東京初演時)
[委嘱]
岸和田こなから音楽祭
[上演記録]
2023年11月5日
大阪府岸和田市 岸和田市立中央小学校講堂
=演奏=
東京子どもアンサンブル+岸和田市少年少女合唱団
指揮:古橋富士雄 ソプラノ:吉川真澄 ピアノ:野間晴美
2024年1月7日
大阪府岸和田市 まどかホール
=演奏=
岸和田市少年少女合唱団
指揮:松尾卓郎 ソプラノ:吉川真澄 ピアノ:佐野真弓
2024年7月15日
東京都 国立オリンピック記念青少年総合センター大ホール
=演奏=
東京子どもアンサンブル+舞鶴子どもコーラス+相馬子どもコーラス
指揮:古橋富士雄 ソプラノ:吉川真澄 ピアノ:野間晴美